理事長あいさつ
日本PDA製薬学会は、医薬品等ヘルスケア製品の開発・製造に関わる科学と技術、規制情報の分野での国際的学術団体PDAの日本支部にあたる学術会議に所属する学会です。
医薬品を中心にヘルスケア製品の開発・製造に関わる技術とレギュラトリーサイエンスの情報提供と教育活動を主として、国内外の規制ハーモナイゼーションの活動にも積極的に関わっております。
医療産業の基礎となる科学、技術の進歩は目覚しく、積極的かつタイムリーな情報発信と啓蒙が常に求められております。本学会としては、学術誌「日本PDA製薬学会学術誌 GMPとバリデーション」の発行、年会、研究成果報告会、研修会等の開催を通じて、医療産業に関わる全ての方々に貢献できる団体を目指して参ります。
会員の皆様方の日本PDA製薬学会への積極的なご参加、ご支援をお願いするとともに、日本PDA製薬学会が、国民の健康と社会福祉への貢献にできる存在であることを願っております。
Parenteral Drug Association(PDA)とは
PDAとは、医薬品およびヘルスケアー製品の開発、製造、法規・規制に関係する業務に携わる方達を主に対象とした、製薬技術やGMPとバリデーションの分野で世界的に指導的立場にある国際的な学術団体です。
About PDA(PDA本部サイトによる概要ページ)
当初、PDAは無菌製剤および非経口薬剤の専門的な団体として、1946年にアメリカ合衆国で創立されましたが、製造、品質保証システムに関する世界的に価値のある多くの技術文献を刊行し、GMP・バリデーション分野の学術団体として世界をリードしてまいりました。
現在、PDAは40か国を超える多くの国々から約10,000名の会員が参加する非経口剤、経口剤および原薬の製造/機器製造/研究・教育/エンジニアリング関係者を含む、医薬品、ヘルスケア、法規制などの分野の研究者・技術者・行政関係者で組織する国際的学術団体で、本部をMaryland州Bethesdaに置いております。アメリカ合衆国内で11支部、EUで1支部を擁しており、アジア太平洋地域では日本の他に台湾、韓国、オーストラリアに支部が設置されています。
PDAの活動
医薬品全般(非経口薬、経口薬、原薬、バイオテクノロジー)および医療器具/用具などの無菌製品に関する製造技術水準の向上に貢献することを目的とし、国際的に科学研究、情報普及、教育訓練などの活動を行っています。この分野で「バリデーション」が重要視されるようになってから、レギュラトリー・サイエンスに関してFDA(米国食品医薬品局)との密接な関係が確立され、相互協力が行われるようにもなりました。PDAは、いわば「GMP・バリデーションと製剤技術」を科学するユニークな学術団体で、この分野に関わる世界の技術者や専門家の集まりです。
年会
毎年春秋2回の年会が、本部のあるアメリカにおいて開催されます。世界各国から会員が参加するため、アメリカで定期的に行われる国際学会ともいえます。会期は通常5日間で、うち3日間は製薬技術、GMP・バリデーション、査察等に関する最新の話題でセッションから構成され、研究発表、質疑応答が行われます。口頭発表のほか、ポスター発表の場も設けられています。毎回FDAのスタッフが演者として参加し、政府機関とも密接な連繋をもっています。また、特定のテーマに関して関心を示すグループである「インタレストグループ」の討論や朝食をとりながら選択課題について自由討論を行う、「ラウンド・テーブル」というユニークな意見交換会も開かれます。その他、年会の後半の2日間にPDA主催の「教育コース」、会期中にはヘルスケア関連の製品やサービス等の展示会が行われます。
PDA-FDA合同会議
毎年1回、PDAとFDAの合同会議が開催されています。PDAとFDAから選出された代表者によって、同会議の運営委員会が編成され、レギュラトリー・サイエンスに関する興味あるテーマが決められます。会議は、現在FDAが注目している最もホットな話題について、討論を中心として進められます。
PDA国際ヨーロッパコングレス
隔年ごとに、ヨーロッパで開催される国際会議です。この会議はPDAの主催ですが、PDAと友好関係にあるイギリス、フランス、ノルディックの無菌製剤関連の学術3団体との相互協力によって運営されています。年会同様、製剤技術とGMP・バリデーションを中心とした、最近の興味あるテーマについて発表/質疑応答が行われます。毎年、FDAやEU、MCAなど、各国の査察官の貴重な発表があり、話題を呼んでいます。また、会期中には、教育コースや展示会も催されます。
PDA国際アジアコングレス
PDAと日本PDAが共同で主催する製剤技術とGMP・バリデーションに関するアジア地区の国際会議です。アジア諸国のほか、アメリカ、ヨーロッパからも参加し、1994年11月東京、1997年2月大阪、1999年2月東京、2001年2月京都、2006年9月東京で開催されました。本部年会やヨーロッパ・コングレスと同様の形式で運営されます。これまでに厚生労働省や国立の研究機関、アジア諸国の政府、FDA、MCAなどの専門官による、レギュラトリー・サイエンスに関しての講演も行われました。
教育コース
製薬業における専門的かつ継続的な教育は、PDAが初めて1978年に実施いたしました。以来、権威ある教育コースとして好評のもとに世界各地で開催され継続しております。PDAは教育コースを、実際の経験から得た知識の交換の場と考えております。すなわち専門家が講師陣や他の参加者の経験に接して、そこから生きた知恵を学び取る場です。コースの各主題は、専門の講師陣によって深く掘り下げられ、常にアップデートされていますので、内容が充実しているばかりでなく、そのテキストは詳しい参考書としての価値があります。コースの講師は、自ら経験して得た見識を紹介できる、プロフェッショナルの教育者達です。各コースは一般の講演会より参加人数を制限し、また、十分な質疑応答の時間も設けられ、参加者と講師のコミュニケーションが取りやすくなるよう配慮されています。現在はPDA Training and Research Instituteが本コースの運営を管理していますが、日本PDAでも日本人講師による独自のコースを準備し、好評を得ています。
日本PDA学術誌(日本PDA学術誌 GMPとバリデーション)
本会の学術誌は、会員が必要とする製薬技術全般に関するサイエンス、技術、規制情報のトピックスを掲載しています。掲載論文は学術的に高く評価されており、世界中で製剤技術研究やGMP・バリデーションの参考文献として、科学的根拠付けに広く利用されています。日本PDA製薬学会は、GMP、バリデーション領域の学術雑誌を年一回以上、電子データで配信しています。
役員
役職 | 氏名 | 所属 |
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会長 | 奥田 晴宏 | 国立医薬品食品衛生研究所 客員研究員 |
理事長 | 嶋澤 るみ子 | 東海大学 医学部医学科 基盤診療学系臨床薬理学教授 |
常務理事 | 齋藤 泉 | Alba Aqua合同会社 代表社員 |
理事 | 寺田 勝英 | 高崎健康福祉大学 薬学部長 |
理事 | 秋元 雅裕 | Heart seed株式会社 信頼性保証部長 |
理事 | 檜山 行雄 | 国立医薬品食品研究所 客員研究員 |
理事 | 松田 嘉弘 | 独立行政法人医薬品医療機器総合機構 スペシャリスト(品質担当) |
理事 | 伊藤 千鶴子 | 持田製薬株式会社 |
理事 | 今井 昭生 | エーザイ株式会社 |
理事 | 櫻井 信豪 | 東京理科大学 薬学部 |
理事 | 鈴木 雅寿 | 東京理科大学 薬学部 |
監事 | 山本 真也 | プリムス司法書士法人YM |
監事 | 橋本 葭人 | |
特別顧問 | 今村 雅志 | 今村ファーマコンサルティング事務所 |
特別顧問 | 原 芳明 | ファーマリンク株式会社 |
特別顧問 | 渡邊 英二 |
代議員(順不同)
阿部 いくみ | 小田 昌宏 | 小山 靖人 | 鶴丸 智彦 | 山下 親正 | ||||
池松 靖人 | 片山 博仁 | 佐々木 淳子 | 中島 なつき | 横堀 倫之 | ||||
石井 明子 | 香取 典子 | 至田 康志 | 外尾 英隆 | 渡邊 英二 | ||||
磯部 貴弘 | 上久木田 務 | 清水 理恵 | 三浦 いずみ | |||||
井上 敬介 | 川北 敏夫 | 白木澤 治 | 三澤 公貴 | |||||
今村 雅志 | 河野 栄樹 | 末國 達也 | 毛利 慎一郎 | |||||
太田 裕朗 | 河邊 圭吾 | 菅谷 真二 | 森 充生 | |||||
大場 徹也 | 木村 聖子 | 菅原 敬信 | 森川 実千代 | |||||
岡本 浩一 | 合津 文雄 | 鷲見 裕 | 柳澤 徳雄 | |||||
荻本 浩三 | 古賀 裕香里 | 高木 光治 | 山川 栄明 | |||||
奥川 隆政 | 駒形 俊和 | 竹澤 健一 | 山﨑 由実子 | |||||
目的・活動内容
目的
日本PDA製薬学会は、PDAの活動(設立)目的に則り、この分野の研究者、専門家、製薬工業界およびその関連業界に関わる会員に対し、欧米の技術情報ならびに行政、業界、許認可システム等の情報提供、技術教育を主たる目的としています。また、必要に応じて日本独自の委員会を設け、PDA本部との密なる関係を維持しつつ、日本の製薬業界およびその関連業界の技術向上、発展に寄与することを目的として活動を行なっています。これらのことを具体的に示すため、別掲のように日本PDA製薬学会のミッションを定めております。