日本PDA 製薬学会 メディカルデバイス委員会
委員長 鶴丸 智彦
副委員長 山川 栄明
国内外で医療機器の発達が日進月歩であり、医療機器には大型の手術機械・診断機器などから使い捨ての針、滅菌ガーゼなど多種多様である。それらを統合的に科学技術的な評価&設計&規制手法の側面から議論を行うために、日本PDA製薬学会の理事会(2006年5月12日)において、正式にメディカルデバイス委員会設置の必要性が審議され、承認された。設立時より委員長を日本PDA製薬学会理事の村上 大吉郎様にご尽力賜り、2014年末までに89回の委員会活動を行う一方、海外からの最新技術講演、高度技術革新によるCombination Products の拡大化などに対応する為、Prefilled Syringe Seminar Tokyoの企画・開催も行っている。
当委員会は品質評価技術や規制手法等について総合的に議論する場として、科学技術に立脚した議論を行い、講演会、出版などを通じ、成果として発表することを目標としている。現在は、日本PDA製薬学会代議員の渡邊 英二(テルモ)を委員長、山川 栄明(大隅物流)を副委員長として、岩田レーベル、大隅物流、オリンパス、サノフィ、ショット日本、スリーエムヘルスケア、大気社、テルモ、デンコム、トキワエンジニアリング、富士ゼロックス情報システム、三笠製薬から自主参加した委員で構成され、ほぼ月に1回の頻度で委員会を開催している。
医療分野での品質確保目標について
医療機器の国際規格 ISO 13485:2003 『医療機器-品質マネジメントシステム-規制のための要求事項(Medical Devices – Quality Management Systems – Requirements for Regulatory Purposes)』は世界中で広く認められている規格である。この規格の背景の関係図を図1に示すが、医薬品及び医療機器を問わず品質確保のための規格を参考に作成されていることが判り、これらを議論することは医療分野での品質の目標が体系付けられてくると考えている。
当委員会では、米国のQSR(21CFR 820)2005、ISO13485 2003及び厚生労働省令169号(QMS省令2004)の内容を比較し、年会で報告した。2014年現在このISO13485の規格の改正や日本、欧州に於いて医療機器の規格の更新が控えており、この方向性についても注視している。また、医療機器の国際的な規制のハーモナイズを目指したGHTF(Global Harmonization Task Force:グローバル整合会議)の活動がIMDRF((International Medical Device Regulators Forum:国際医療機器規制当局フォーラム)の活動に引き継がれ、規制の方向性についても様々なガイダンスが提出されている。 2015年には日本は議長国となっており、その内容についても注目して議論を進めている。
また、医薬品・医療機器共に進められているリスクマネジメントの事例、医療現場におけるリスクを先取りするユーザビィティー評価に関するガイダンス、更には使用ミスをなくすための情報の伝達手法について調査・提案を行っている。その一部は、警報音や記号あるいはバーコードについてまとめ年会等で報告している。
近年、医薬品医療機器を問わず、原材料製品製造の委受託化および調達の国際化に伴い、輸送品質についてGDP(Good Distribution Practice)と言う切り口で議論が盛んとなっている。当委員会では、この問題にいち早く焦点を当てグル―バルに開催されるPDAカンファレンスへの参加や航空輸送やトラック輸送、海上輸送について調査を行い、実態について年会等で把握するとともに適切な品質確保方法について議論を深めてきている。
各月例の委員会では、国内外の回収事例の紹介と解説、医療機器のクラス分類といずれにも収まらない体外診断薬やプレフィルドシリンジに代表されるコンビネーションプロダクトの話題を取り上げて、年会や成果報告会を開催すべく活動をしている。
まだまだ、小さな委員会であり、ボランティア精神旺盛で、患者様の事を第一に考え、活動したいとお考えの方は是非、ご参加下さい。委員としてだけでなく、オブザーバーとしての参加も歓迎致します。
当委員会で活動を御希望される方は日本PDA製薬学会の事務局、又は下記委員長又は副委員長宛に直接電子メールで連絡下さい。
委員長: 渡邊 英二(テルモ(株)) メール:Eiji_Watanabe@terumo.co.jp
副委員長:山川 栄明(大隅物流(有))メール:haruaki.yamakawa@jgdp.co.jp
委員数:約20名
委員会開催:原則として毎月第4週の土曜日に東京で開催。