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北陸勉強会委員会

北陸勉強会委員長
柳澤 徳雄

はじめに

日本PDA製薬学会では、下部組織に約10の委員会を組織している。その大半が検討分野を委員会名にし、特化したテーマを扱うとともに、活動の拠点が主に東京あるいは大阪である。また、PDAは、本部が米国でグローバルに活動する組織であるため、日本PDA製薬学会もICHの3極の規制ならびにグローバルに通用するGMPを中心に、種々の活動がなされている。

北陸地区、特に富山県は古くから製薬産業が盛んで、現在、50数社の製薬企業があるにもかかわらず、医薬に関連するセミナーや発表会は東京、大阪で主に開催され、北陸地区では、行政当局あるいは製薬団体の主催する会に限られており、聴講する機会が少ない。また、北陸地区の製薬会社は、後発品を主体とした企業が多く、日本PDA製薬学会が取り扱うテーマと、必ずしも興味が一致していない。

一方で、昨今の医薬品のグローバル化、ICHガイドラインの既存品への一部適用ならびに日本のPIC/S加盟など、北陸地区の製薬企業においてもグローバル情報なしに企業活動ができなくなってきている。

北陸勉強会の目的

日本PDA製薬学会では、この様な状況を鑑み、北陸地区を拠点とした情報発信ならびに北陸地区特有の課題を検討する委員会を立ち上げることを決定し、昨年6月に北陸勉強会を立ち上げ、本年より正式な委員会として活動を開始した。

(目的)
北陸地区の日本PDA製薬学会会員ならびに当局の薬事担当者にGMPの研鑽と情報共有の機会を提供するとともに、会員および地域のGMP活動を支援する。

日本PDA製薬学会では、富山市で、富山GMP講演会を定期的に開催している。2015年で7回目を迎え、本年より北陸勉強会が企画する講演会となった。

検討テーマ

前述の様に北陸地区の製薬会社は、後発品企業が多いとともに、中小の企業も多くGMPに十分な資源を投入できないケースも見られる。一方で、製品品質要求ならびにGMP要件などのレベルは年々高くなってきており、これらを効率的に対処する事を主活動課題として、現在、以下の3つを具体的なテーマとして取り上げ活動している。

  1. Quality Culture
    製品の品質保証は、Quality by Analysisから、開発(Quality by Design)ならびに製造現場で品質を造り込む医薬品品質システム(ICH Q10)へと変わってきたが、品質不良や欠品など事故は増加してきている。FDAなど行政当局も単に規制を強化するあるいはガイドラインを作れば良いから、企業自ら良い製品を造り供給していく、そのような企業マインドができる環境を造っていく方針へと転換しつつある。Quality Cultureを醸成し、品質の保証を、経営陣を含めた企業全体の責任として取り組むことがトレンドとなっている。経営陣の責任を含め、Quality Cultureを醸成していく指針を検討している。
  2. Data Integrity
    データの完全性は、医薬品品質保証の原点である。
    高性能なシステムを使うことにより、容易にデータ完全性を確保できる事は事実であるが、高性能なシステムを使わなければ達成できないものでもない。必要な記録をある一定の要件に従って残し、管理すれば、データの完全性は確保される。当検討グループでは、品質試験記録を中心に、適切な記録ならびに管理方法について検討している。
  3. 後発品企業の課題
    後発品企業は品目数が多い分、管理する供給業者数が多いが、限られた人数で実施することも相まって、供給業者管理の負担は小さくない。供給業者監査の課題、視点を抽出することで、監査の効率化、省力化を検討している。また、その課題、視点に対するソフトでの対応方法を提案することで、GMP実践の参考となることも目指している。

これらの検討成果は、成果報告会あるいは富山県GMP講演会で発表していく。

勉強会の開催

北陸勉強会は、2014年6月に創立し、2015年10月10日時点で31名の会員がいます。

  • 開催日時: 偶数月の第2土曜日 13:00~17:00
  • 開催会場: 富山市内(貸し会議室)
  • 議 題 : 最新情報提供(ECA NEWS他)、講演、班別検討

趣旨に賛同して頂き、北陸地区に関わらず当勉強会に参加してみませんか。興味のある方は、日本PDA製薬学会 事務局にご連絡ください。

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