北陸勉強会委員長
柳澤 徳雄
活動目的
北陸勉強会は、北陸地区の日本PDA製薬学会会員と共に地域のGMP活動を支援することを目的として2014年6月に富山で発足し、2015年より正式な委員会として活動を開始した。現在では年々進化を続けるGMP要件に対して、小規模なGMP組織が持つ課題を整理し、その対策方法の検討を行っている。
北陸地区は後発品や受託製造を主体とした中小規模の企業が多く、大規模組織の様に企業内で専門家を育成する事は難しい。一方で国際調和・国内不祥事への対応などにより、規制要求事項の精度は年を追って上がり続けており、各社各様の課題に頭を悩ませている状況である。
この状況に対し、北陸勉強会は、地域外からも参加メンバーを募り、具体的な課題について多角的な視点から知恵を出し合い、検討する場を設け、対応案を提案する事により、日本の医薬品産業を支えしている企業の品質活動に貢献する事を目標としている。
活動実績・検討テーマ
2024年より活動のメインテーマを「小規模組織のGMP―その具体的な対応」へと移行し、2024年4月に3つの分科会(①技術移転、②逸脱管理、③組織拡大)を発足し、課題の検討を開始した。
ここでいう小規模組織とは、主に製造所におけるGMP業務量に対して人的リソースが十分でない状況を意味しており、業務従事者には、早期かつ多岐にわたる知識の習得と日々の課題を迅速に処理し、決断する能力が求められる。
より専門的な知識・知恵と北陸勉強会が持つ現実を上手くつなぎ合わせるため、他の委員会とのコラボレーションも積極的に行っていく予定である。
各分科会のテーマと検討内容の概要は下記のとおりである
検討テーマ
・①技術移転分科会
活動テーマ:技術移転のその前に~企業文化を踏まえた技術移転戦略~
技術移転は長期的に見た場合、どの様な企業においても必ず発生するタスクであり、それを円滑に進めるためには、移転元の企業文化を理解した柔軟な対応が肝要である。当分科会では、移転元企業(アカデミア含む)の文化を分析するツールを提案し、その結果に基づいた最適な技術移転戦略の構築方法を提案する。
・②逸脱管理分科会
活動テーマ:小規模組織の効果的な逸脱処理とCAPA管理
小規模組織のQAにおいては、逸脱処理およびCAPA管理に投入できるリソースに制約がある。当分科会では、小規模組織のQAの逸脱管理体制を検討し、3つの逸脱管理業務の段階(①逸脱発生報告からCAPAまでの逸脱処理、②CAPA、③トレンド分析)ごとに、リスクベースでのアプローチによる効果的で効率的な方策を検討し提案する。
・③組織拡大分科会
活動テーマ:組織拡大に伴う課題~GMP省令第6条に沿って~
当分科会では、組織拡大に伴い顕著となる教育訓練や資格認定、コミュニケーション等の課題に対し、円滑にGMP省令第6条に沿うことを目的として、現状の課題と予想される課題の対策案を検討し、QA組織拡大時のモデルケースを提案する。
勉強会の開催
北陸勉強会は、2024年9月時点で21名が在籍しています。開催方法にハイブリッドを採用しているため、北陸に留まらず、首都圏、中部、関西圏からの参加者も増えています。
小規模組織のGMP活動でお悩みの方、当勉強会への参加をご検討いただけますと幸いです。
お試し参加、他のPDAの委員会からのご参加も歓迎します。
<開催要領>
開催日時: 偶数月の第2土曜日 13:00~17:00
開催会場: 富山市内(貸し会議室)およびWeb
議 題 : 情報提供、外部講師による講演、班別検討
*趣旨に賛同下さる方、活動テーマに興味のある方は、日本PDA製薬学会 事務局までご連絡ください