【PDA会員各位】テクニカルレポートNo.68 ダウンロードのご案内
2024年10月吉日
一般社団法人日本PDA製薬学会
代表理事 嶋澤るみ子
TR-68の改定について
PDA テクニカルレポート No. 68: 医薬品不足の予防と管理のためのリスクベースアプローチは、製造、品質、および/またはGMP上の問題によって引き起こされる医薬品の不足に関する欧州医薬品庁 (EMA) の取り組みに対する組織間での共同対応の一環として、2014 年に初版が発刊されました。
その後、世界各国では医薬品の供給不足を解消するために様々な取り組みがなされてきていますが、医薬品の供給不足を完全に解消するには至っておりません。PDAは初版発行以来の医薬品製造における進歩を認識し、ICH-Q9、Q10、Q12を含む現代の規制環境の変化も取り込んで TR-68 2024年版として改定いたしました。元々のテクニカルレポートのリスクベースアプローチとその概念は広く認識されていますのであえて変更していません。
医薬品の不足を回避するための予防措置の例には、TR-68 が 2014 年に初めて発行されて以来の教訓が考慮されています。この改訂版に含まれるテンプレートと書式の要素は、欧州連合とその加盟国、および米国で使用されている現在の規制上の期待と用語を反映するように更新されていると同時に、医薬品の不足の管理と防止に関する世界的な期待への準拠もサポートしています。
TR-68(2024年改定)の翻訳について
患者さんが必要なときにいつでも安全で効果的な高品質の製品を継続的に使用できることは、世界中の患者の生活と生存を変えてきた治療方法、医療技術、新薬開発の進歩と同じくらい重要です。特に効果的な代替品がない医学的に必要な、救急救命または生命維持に不可欠な医薬品など製品を患者さんに途切れなく提供することは、医薬品:医療関係者の使命でもあると考えられます。今観点からPDA本部はTR-68の改訂版を無償で会員に公開しております。
日本PDA製薬学会はPDA本部の方針に賛同すると共に、日本の関係者が本書をより理解しやすくするために、PDA本部の承認を得て日本語版への翻訳を行いました。
また、日本語版においても本部の方針を踏襲しPDA日本会員に公開することといたしました。本書は主として欧米での事案を中心にしておりますので、必ずしも日本の現状にそのまま対応するものではございませんが、医薬品供給不足の予防と管理に対してリスクベースでのアプローチを行うことは製造業者、製造販売業者、卸売業者等にとって有用な知見が含まれています。本書が皆様のお役に立ち日本国内での供給不足の一助となれば幸いです。