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無菌製品GMP委員会 分科会のご紹介

再生医療等製品GCTP研究分科会 (分科会リーダー 協和キリン株式会社 森 充生)

再生医療等製品は無菌医薬品と同様に無菌製品であり、その製造と品質管理においての要件はGMPを基準としたGCTPで運用される。再生医療等製品は医薬品製造に比べて、ロットが小規模でヒトの介在操作や自動化・機械化への技術的課題が多く、作業者の手技に頼る現状が存在する。また再生医療等製品は多種多様で原料(ヒト細胞)や最終製品でのバラつきがあり、ケースバイケースでの運用が求められる場合が多い。このような現状から再生医療等製品の産業化は未だ発展途上的であり、特に製品の製造・品質管理において無菌医薬品とは異なる課題が多く存在する。これらの課題等を議論し世界標準へと導くための技術的ノウハウの開発やレギュラトリーサイエンスが急務だと考える。本分科会では、「無菌」をキーワードに再生医療等製品における特有の課題について取組み、3つの研究グループを設置(8 Group:無菌操作研究、9 Group:プロセス研究、10 Group:レギュレーション研究)し、再生医療等製品の製造・品質管理に直面する課題や問題解決など研究し、その成果を国内外へ発表することで業界の活性化と産業化を促進させることを目的とする。

8Group : 再生医療/無菌操作研究

再生医療等製品の製造において無菌操作は品質を担保するために不可欠な要素である。特に開放系の製造設備を有する施設においては人の介在等による汚染リスクが潜在しており、無菌操作そのものが製品品質といっても過言ではない。無菌操作とは作業者の手技に限定されるものでは無く、設備や環境といった製造に関わる全てにおいて確立されるものであることから、無菌操作の在り方を十分に協議していくことが必要である。しかし、無菌医薬品製造とは異なり歴史が浅い分野であるが故、知見、経験が少なく、無菌操作についてのレギュレーション自体も不完全な状態である。本グループでは無菌操作を確立するために必要なリスクの洗い出し、またそれらのリスク評価・検証、グローバル的な視点を交えての統一化といった柱を立てて再生医療等製品の製造における無菌操作の在り方を考えていく。

9Group : 再生医療/プロセス研究

本グループでは2つの取り組みを行っており、1つ目は、申請において先端医療製品(ATMP)あるいは再生医療製品等といわれるカテゴリーの製品に対して、製造を取り巻く技術と規制の全体像を理解し、課題を見つけて興味あるテーマを掘りさげる活動を行っている。全体像の理解には、入手可能なグローバルに公開されている文献を手分けして調査し、申請に必要な知識の整理を行い、業界が既に経験し議論している内容を分析し、製品タイプごとの技術のフローと課題の図式化などを行いたいと考えている。2つ目の取り組みは、参加者の解決したいテーマを一般化、モデル化した図式で各自説明し、グルプメンバー共同で解決方法を考える具体的な取り組みを行っている。本グループでは製造販売申請時に必要な知識整理とプロセス開発の事例研究により、製造プロセス全体を俯瞰し、具体的な問題解決を目指す。

10Group : 再生医療/レギュレーション研究

再生医療等製品、その中でも特に、細胞加工製品は、生きた細胞が最終製品の品質に組み込まれるため、その製品・品質設計が煩雑である。製造・品質管理の規制対応では、製品の適用疾患・投与方法に応じた、製品形態あるいは原料細胞などで生じる多様な選択性により、工程設計や運用設計、保管・輸送の設計などで、ケースバイケースでの考え方が要求される。本グループでは、再生医療等製品製造に係る法令あるいは指針等の文章を読み解くことで、ケースバイケースの対応を考慮した、規制対応を支援するガイダンス等の提案を目的とする。また、無菌操作設計、プロセス設計、封じ込め設計などの他グループと協力し、規制対応の考え方を共有することで、設計の妥当性評価方法・手順を構築する一助となることを目指す。

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